京都散歩道

数年前、某SNSで活動していた「京都散歩道」。このたびブログにて復活しました。京都をいろいろ巡っていますので、少しずつご紹介していけたらと思います。最近は平安京巡りにはまり中。過去のデータを移行したら、写真が一部見れないので、また修正します!まとめサイト等、他サイトへの文章・写真の転載はお断りします。

新熊野神社(いまくまのじんじゃ) 左義長神事(さぎちょうしんじ)

 

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左義長は、平安時代の宮中行事が起源です。

宮中では元旦早朝の「四方拝(しほうはい)」に始まり、14日まで正月行事がありました。嵯峨天皇の時代から、元旦から7日までを神道祭祀で、7日から14日までを仏教祭祀で行うようになりました。

1月15日の小正月に行われたのが左義長神事で、神仏習合の神事です。

宮中の清涼殿東庭に青竹を束ねて建て、毬杖(ぎっちょう)三本を結び、その上に扇子や短冊などを添え、陰陽師が謡い囃しながらこれを焼いたとあり、櫓が倒れた方向や炎の上り方によって、その年の吉凶を占ったとされています。毬杖を三本結ぶことから三毬杖(さぎちょう)と呼ばれました。今は、正月に飾った門松やしめ飾り・書き初めを櫓に組んで焼却します。

 

聖護院の初代宮門跡が後白河法皇の第9皇子、静恵法親王だったことから、鎌倉時代以降、聖護院門跡が紀州熊野三山と京都の新熊野神社の検校(けんぎょう)を兼ねるようになって、応仁の乱まで関係は続きました。熊野といえば修験道、熊野山伏の総支配が聖護院だったことから、今も密接な関係があります。

 

2時間前に着いたら・・さすがに早すぎました。神社をゆっくりと回って、あとは準備を見守っていました。10時半頃には人だかりができていました。

10時45分頃、聖護院の山伏たちが櫓の下に灯油を撒きました。さすがに灯油を入れないと燃えないそうです。

 

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11時から神事が始まります。

まず、宮司から神事の説明がありました。この宮司のトークがとてもおもしろくてよかったです。

神事の際、杖を持って先頭に立つ人を儀仗兵(ぎじょうへい)といいますが、左義長は、左儀仗、どんと焼きと言ったりもします。

祝詞に、「筑紫の日向(ひむか)の橘の小戸(おど)の阿波岐原(あわきはら)に」

という言葉があり、これはイザナギが禊祓をしたという話です。

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ここには川がないため、水の代わりに白い半紙を水に見たて、それに塩を混ぜて禊の代わりとするそうです。

なぜ食べ物でないものがお供えしてあるのかと思っていたら、そういうことかと納得。

 

まず、本殿で法要がありました。見ておりませんが、巫女が笛や太鼓の音とともに舞っていたようです。鈴の音も聞こえてきました。この時は本殿の中に入れるようになっていたので、またこちらも見てみたいですね。

 

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そのあと、禊をし、お祓いがありました。

この禊とお祓いも、宮司さんが参拝者全員に順番にしてくれます。

「もう罪ある人いない~?」と聞いて、2度目の禊もあったり。

最後の塩は宮司本人の頭にかけ、「これが大事やねん」と(笑)

吉凶を占う陰陽師の役目は参拝者自身だとも。

 

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そして、雅楽の演奏、祝詞奏上とつづきます。

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そして、山伏が櫓に点火し、ほら貝を吹き、般若心経を唱えます。

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般若心境は参拝者にもコピーを頂けますので、一緒に唱えました。

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火はあっという間に全体に広がり、激しく「パーン」と木の割れるような音もしました。

その年の恵方に倒されるのですが、今年は東北の方角に倒れましたので・・あまりよくないそうです^^;

 

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参拝者たちは、玉串を奉納し、お神酒とお下がりを頂きます。

このお下がりは本来は、おぜんざいの接待を受けるのですが、今年は9日(成人式の日に行われるため)と早かったので、準備ができず鏡餅のお下がりだそうです。

 

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頂いたお餅。早速焼いて頂きました。

 

―おまけー

 

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撮影した炎が・・手の形に見えてゾーッ。

悪い“気”を吸った正月の飾り物たちの、最後の断末魔のように見えました。

くわばらくわばら・・。

 

寒いからと、たき火のように当たっている人もいましたが・・それは違うだろう・・と言いたかった^^;

やはりこれは成仏を祈る神事だと感じました。

こういう神仏習合の行事はなかなか興味深いですね。