三条通りにある、近代建築
もともと三条大橋は、江戸から京へと続く「東海道五十三次」の終点。
古くは豊臣秀吉の命により大改修が行われ、その後も旅人にとっては欠かせない要路でした。
江戸から京まで、また京から江戸まで約490kmもの道のりを徒歩で旅をする。その旅人のゴールであり、スタートでした。
明治以降、ビジネス街として繁栄したため、
その名残として近代建築と呼ばれる明治、大正の名建築が数多く残っています。
では、三条烏丸より東側にある建築物をご紹介。
●中京郵便局
設計 / 吉井茂則ほか
建築年度 / 明治35年(1902)
当時の郵便局は敷居が高かったのかなと思わせるような壮麗な建物。ルネサンス様式と呼ばれる設計です。この建物は日本初の外壁保存の例となった事で知られていて、中はごく普通の郵便局です。
設計 / 辰野金吾
建築年度 / 明治39年(1906)
辰野金吾の設計で、赤レンガに白い縞模様が特徴な辰野式の建物です。
辰野金吾の設計は他に「東京駅」があります。
中に入ると銀行の受付のイメージが今も残っています。
中央には、金庫を利用したカフェがあります。
設計 / 野金吾と片岡安
建築年度 /大正3年(1914)
辰野金吾の設計。辰野金吾といえば、京都府京都文化博物館別館のような赤レンガに白い縞模様が特徴な辰野式の建物なのですが、これは石貼りとなっています。
●旧不動貯金銀行(現SACRA)
設計 / 日本建築株式会社
建築年度 /大正5(1916)年
旧不動貯金銀行として建築され、1988年にSACRAとして改築され、
現在は文化庁の登録有形文化財に登録され国民的財産として保存されています。
●旧家邊時計店(現:三条ダマシン)
設計 / 不詳
建築年度 /明治23年(1890)年
木造建築2階建で壁の部分に煉瓦を使った建物で正面アーケードの三連アーチが印象的です。
つづいて、三条烏丸より西側にある建築物をご紹介~。
●文椿ビルヂング
設計 / 不詳
建築年度 /大正9(1920)年
珍しい木造の洋館です。
当初は貿易会社の社屋として使われ、その後繊維問屋の手に渡り、
戦後間もなくはアメリカの文化施設としても使われました。
その後、内装業社、呉服商社として使われていた物件を2004年10月16日に、
久和幸司建築設計事務所の手により商業施設として再生したものです。
こういう街並みを見ながら、のんびり歩くのもいいものですね。
三条通りは、大好きな通りのひとつです。