京都散歩道

数年前、某SNSで活動していた「京都散歩道」。このたびブログにて復活しました。京都をいろいろ巡っていますので、少しずつご紹介していけたらと思います。最近は平安京巡りにはまり中。過去のデータを移行したら、写真が一部見れないので、また修正します!まとめサイト等、他サイトへの文章・写真の転載はお断りします。

【総まとめ編】祇園祭 お迎え提灯・神輿洗い 7月10日

 

 

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お迎え提灯とは、万灯会有志が、「神輿洗い」の神輿を迎えるために、それぞれの提灯を立て行列を整えて巡行する行事です。

祇園万灯会祇園囃子、武者組、小町踊、鷺踊、しゃぐま、祇園祭音頭、馬長稚児と続きます。

【コース】

八坂神社清々館出発(16:30)→石段下→四条通西→河原町通北→市役所前(17:30-18:30舞踊奉納)→寺町通南→御旅所→四条通東→円山公園→石段下にて神輿洗いの神輿を迎える→東大路→神幸道東→八坂神社(20:30)→能舞台にて舞台奉納

 

この行列は、清少納言の『枕草子』の中にもすでに見られており、「心地よけなるもの」のひとつとして、「御霊会の馬の長」の記載があります。

中右記』大治2年(1127)6月14日の条には、

祇園御霊会。四方殿上人、馬長、童、巫女、植女、田楽各数百人。此の外祇園園所司、僧、随身数十人の兵供奉す。舞人十人、使は唐鞍に乗る。」

とあり、当時より豪華な行列だったと思われます。

馬長は当初朝廷より調進され、 蔵人所が所属の小舎人童などから人選していたようです。

 

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行列が出発したのち、神輿は蔵から舞殿に鎮座されます。

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そして豪華に飾り付けられます。

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やがて境内で松明に火が灯されます。神輿三基のうち二基は舞殿に据えられ、一基(中御座)の前後を松明で照らしながら、四条大橋まで行き、神輿を清める儀式を行います。一説には、鴨川の神様を神輿にお迎えするともいわれています。

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 『八坂神社』の本によると、

『百練抄』に、承安二年(1172)後白河院が神輿三基と、獅子頭七頭を寄進したとあります。またこの頃の記録に、

「六月七日祇園神輿迎、十四日祇園御霊」 『中右記』大治二年

「京師祇園会六月七日に迎神、十四日送神」 『芸苑日渉』

とあります。これが今の神幸祭還幸祭にあたります。

 もちろんこの6月7日、14日は旧暦になります。

 

実はちょっとあることを小耳にはさみました。

神輿洗いの時に松明を使うのは、もともと旧暦の5月末で新月だったから、真っ暗で明かりが必要だったため。そして神幸祭は半月、還幸祭は満月の前日で明るかったから松明は必要なかったと。

 

なるほどなーと納得したのですが、なんでも検証しないと気が済まない(笑)

で、調べました。

ちなみに、新月から1日と数えます。

そうなると7日が半月、14日が満月の前日になります。

川島將生氏の『祇園祭』によると、江戸時代に入ってから新しい催しが加わり、神輿洗いもそのひとつで、5月晦日に加わったとあります。

さらに調べます。今は便利な変換があってよいですね。

 

大治2年(1127)5月29日→新暦7月17日 新月の前日

 ※この年は29日までしかなかった

大治2年(1127)6月7日新暦7月24日 上弦

大治2年(1127)6月14日新暦で7月31日 満月の前日

 

大治2年と現在で、神幸祭還幸祭の日と比較してみました。

微妙にずれているけど、近いことは近いですね。

 

では、応仁の乱後にいったん途絶えて、明応9年(1500)に再興したので、この時代はどうだろう?

 

 明応9年(1500)6月7日→新暦で7月3日  上弦

 明応9年(1500)6月14日→新暦で7月10日 満月の前日

 

これだと全然合わないので、やはり前者でしょうね。

もともとは神幸祭と神輿洗いは同じ日に行われていたけど、のちに復活した時とかに、神輿洗いだけ10日に分かれたのかもしれませんね。

 

 

上記写真はすべて2010年撮影。

2010年の様子はこちらをどうぞ。

あまり詳しくない時に見ているので、内容についてはご了承ください^^;

また見に行かないとダメだなw

kyotomichi.hatenablog.com

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